展覧会
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第80回企画展 名誉市民 本多静雄コレクション -新収集資料展Ⅰ-
本多静雄氏(1898~1999)は、電気通信事業と科学技術の向上に献身するとともに、古陶磁研究家として、陶磁器の研究に取り組みました。特に猿投山南麗古窯跡群(猿投窯)の発見者としても知られ、貴重な資料や出土品の収集、研究により郷土文化の発展に貢献しました。その功績により昭和52年(1977)豊田市名誉市民となりました。
明治31年(1898)1月、豊田市花本町に生まれた本多氏は、大正13年(1924)京都帝国大学(現・京都大学)電気工学科を卒業、逓信省に入省し、内閣興亜院技術部長、内閣技術院第一部長を歴任しました。昭和18年(1943)に退官するまで技術官僚として手腕を発揮し、そのかたわら技術者の地位向上を求める「技術者運動」を展開した気骨のある人物です。
戦後は、日本電話施設(株)や(株)エフエム愛知の創立など実業家として活躍する一方、茶道を初めてから古陶磁への関心が高まり、陶芸家・加藤唐九郎との出会いをきっかけに、日本有数の古陶磁研究家・収集家になりました。また円空仏をはじめとする各種民芸資料を収集して民芸の復興を図ったほか、博物館明治村で開催された明治村茶会では、毎年茶席を一席担当しました。さらに親交が深かった杉本健吉氏の絵画や地元出身の画家、陶芸家の作品も集めるなど数々の芸術家の支援も行いました。晩年には狂言を数多く執筆して自らこれを演じています。本多氏は、晩年、コレクションの大半をゆかりのある博物館等へ寄贈しました。この企画展は最後まで本多氏の手元に置かれていた1785件のコレクションの一部を本多氏の業績とともに、民芸資料をはじめ古陶磁、絵画など様々な分野にわたり紹介します。
本展開催により、豊田市民芸館の設立に貢献いただいた、郷土の偉人・本多静雄氏を今一度見つめ直す機会とし、“豊田市の誇り”と感じていただければ幸いです。
- 開催期間
- 2012年03月13日(火)
〜2012年05月27日(日) - 観 覧 料
- 無料
- 会 場
- 第1・2民芸館