展覧会
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第21回特別展 絵皿は語る -陶磁器で楽しむ明治・大正・昭和の世相と風俗-
本展では、皿田一郎氏が長年にわたり蒐集された、近現代の世相や風俗を描いた陶磁器約200点を紹介します。
染付や上絵でさまざまな絵文様を描いた磁器は、江戸時代の初めから肥前地方で盛んになり、江戸時代後期には瀬戸地方でも生産が始まり、近現代を通じて急速に普及し、今では飲食器の中でもっとも身近な存在となっています。近代では、手描きだけでなく、型紙摺絵や銅板転写など、量産に向けた技法が生まれました。そして描かれる文様は、技法の発達や時代の移り変わりに従って多様に変化してきました。なかでも、明治維新後の近代化によって日本の社会が劇的に変化していく様子を、積極的に取り入れた陶磁器の生産は、近代日本特有の文化的現象として特筆されます。続々と登場する文明の利器、新奇な風俗などが、錦絵などをもとにして絵皿に描かれ、流通するようになりました。引き続く日清・日露戦争の時代、太平洋戦争の時代、そして戦後の高度成長の時代、それぞれに世相と風俗を敏感に反映した陶磁器が量産され、使われてきました。
皿多氏は、そうした絵付け磁器を丹念に蒐集されました。さらには、作品に描かれている画題とそれから推定される製作年代、時代背景などを探求されてこられました。本展は、その成果を基に構成されています。絵皿という身近で楽しい媒体を通じて、近現代の日本の歩みと明治・大正・昭和の暮らしの移り変わりとたどることができるでしょう。
- 開催期間
- 2009年12月08日(火)
〜2010年02月21日(日) - 観 覧 料
- 会 場